ハムレットの世情日記

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zoom RSS 【放射能汚染】   関東平野の放射能汚染実態

<<   作成日時 : 2011/07/02 13:01   >>

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 関東地方の都庁、県庁、区役所、市役所が地域内でかなり細かく空間放射線量の測定を進めており、各役所のホームページで公開している。実態がかなりわかってきた。数値を見ると、想像以上に高い地域があり、3月下旬に放射能雲(プルーム)が風に乗って関東平野に到達し、雨とともに放射性物質が地上に降下し、放射線を出し続けていることがわかる。

 ここで紹介する放射能汚染図は、群馬大学教育学部地学教室の早川由紀夫教授が、東北・関東の各自治体が観測した数値を集めたデータをもとにして地図上に表し、ブログで発表したものである。等高線のように見えるエリアは、放射線量の値を結んだ等値線だ。

 本稿では早川教授の了解を得て地図を転載する。地図を拡大しながら読者もすみずみまでご覧いただきたい。筆者は各自治体が公表している数値を見ながら地図を見ているが、慎重にマッピングされた精緻なものである。初めて見る読者も多いと思われる。これが汚染の実態なのである。

 関東平野の状況については新聞やテレビも先週から今週にかけて断片的に報じているが、数値を書いているだけで要領をえないし、結論もない。新聞を読むのはムダである。

「週刊現代」「アエラ」「週刊朝日」の今週号(6月20日発売号)では編集者・記者が独自に計測したデータを掲載しており、とくに東京東部や千葉県東葛地域の状況がルポされている。新聞より雑誌のほうが役に立つ。

 各誌が独自に計測したデータを見ると、傾向は自治体の観測結果と同じだった。放射線量の地域的な頂点は千葉県柏市、流山市あたりで、ついで松戸市、茨城県守谷市である。東京都東部や茨城県南西部、千葉県北西部の数値が高い。

 一方、福島県中通りから南へ、栃木県北部、群馬県西部も高く、風と雨によって関東平野の一部が相当程度汚染されたことがわかる。

 以上、筆者は「高い」「相当程度」などとあいまいな表現を使ったが、地図の左上の凡例をご覧いただきたい。

 地図を関東平野に絞り、緑色と黄色のエリアに注目しよう。緑色は0.25μSv/h(毎時マイクロシーベルト)以上、黄色は0.5μSv/hから1μSv/hのあいだである。平常時は、関東地方の放射線量はだいたい0.05μSv/h前後だから、5倍から20倍は高い。

新聞各紙はこれらの情報を記事にするとき、必ずこういう結論をもってきて、記者の判断や意見を書いていない。非常に類型化された文章なので暗記してしまうほどだ。すなわち、

「福島県内の学校の校舎・校庭などの利用判断における暫定的な目安である3.8μSv/h(毎時マイクロシーベルト、4月19日文部科学省発表)や、放射線量低減のための土壌対策の対象となる1μSv/h(5月27日文部科学省発表)を下回っていた」

 この文章は、各地の自治体のホームページにも記載されているので、記者が役所のプレスリリースを丸写ししていることがわかる。

 自治体は文部科学省のプレスリリースを丸写しして、「国の基準を下回っているので安全です」とホームページに載せている。つまり、新聞はけっきょく文部科学省のプレスリリースを書き写していただけなのである。これが先週(6月第3週)までの状況だ。

 筆者はこの連載の第6回「学校の放射線許容量はなぜ迷走しているのか」で、放射線許容量の定義や、健康への確定的影響と確率的影響についてくわしく書いたので参照していただきたいが、ここでもう一度、文科省プレスリリースに出てくる数値をまとめておく。

・3.8μSv/h
 
 この数値は、文部科学省が「16時間の屋内(木造)、8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると、年間20mSv(1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト)に到達する空間線量率は、屋外3.8μSv/h、屋内木造1.52μSv/hとなる」という仮説を立てて定義した数値である。

・年間20mSv

 年間積算量で20mSvは、ICRP(国際放射線防護委員会)が「2007年勧告」で緊急時の一般公衆の許容量下限(上限100mSv)として決めた数値であり、事故収束時の上限だ。これはチェルノブイリ原発事故(1986年)の評価を受けて決めたのだろう。もともと短期間を想定している。チェルノブイリでは爆発事故そのものは10日間で収束した。

・1μSv/h

 文科省は、この数値以上が出れば校庭の除染を行なう、としている。しかし、この数値の根拠はどこにも書かれていない。

・年間1mSv

 1mSvは1000μSvと同じだが、この数値こそ、ICRPが勧告して日本を含む各国が法制度化している「一般公衆の年間被曝許容量」である。福島の学校でも、この数値を目指すことになっている。これは文科省が5月27日に確認している事実である。

 年間20mSvではなく、年間1mSvを目指すならば、3.8μSv/hも20で割らなければならない。すると、0.19μSv/hという値になる。つまり、一般公衆の許容量1mSvを目指すならば、0.19μSv/h以上を観測したスポットは何らかの対策を打つ必要になるわけだ。 もう一度、地図をご覧いただきたい。等値線は0.25μSv/h以上のエリアである。つまり、このエリアは文科省の基準で考えても間違いなく年間1mSvを超えることになる。

 自然放射線の分や生活環境の差により違いはあるが、0.19≒0.2μSv/hぐらいを基準にして、これより上であれば「高い」と考えたほうがよさそうだ。早川教授は0.25μSv/hでラインを引いているが、同じような考え方だと思う。 このラインを超えているからといってあわてても仕方がない。今後、地域の局所的な汚染スポット(側溝、水溜り、雑草が繁茂している場所など)を集中的に計測して発見し、除染の方法を考えるとか、子どもの屋外時間を減らすなど、年間積算量を減少させることはできる。まずは地域のデータをつかんで、できることからはじめて今後の被曝量を減らそう。

 今週(6月第3週)になると、関東の自治体にも独自の基準を持とうという動きが出てきた。埼玉県川口市の取り組みを紹介しよう。

放射線に対する川口市保育所・幼小中学校(園)における対応指針

 放射線量について、学校生活に関する基準は、国が年間20ミリシーベルト以内としているが、文部科学省は、1ミリシーベルトを目指すとしている。本市においては、市内10地点の放射線量を継続して計測しており、現状では問題のない数値となっている。しかし、今後、数値が上昇する可能性が無いとは言えず、その時の対応を講じておく必要がある。このことから、国から安全基準が示されるまでの暫定措置として、市独自の基準を定め、本市の幼児、児童生徒に対する放射線対策を講ずることとした。

                 記
1 基準数値
国際放射線防護委員会(ICRP)が定める、年間1ミリシーベルト(自然放射線と医療被曝を除く)に自然界の大地(日本の平均)から放出される放射線量年間0.34ミリシーベルト及び宇宙放射線0.30(日本の平均)を加えた年間1.64ミリシーベルトとする。年間換算を、時間単位に置き換える計算式は次のとおりとする。

 1日24時間の生活を、屋外8時間、屋内16時間とし、屋内は、屋外の数値に0.4を乗じた値とする。上記の設定で1時間当たりを計算した結果、0.31マイクロシーベルト/hとなる。

2 基準を超えた場合の対応
(1)0.31マイクロシーベルト/hを超えた場合、保育所・幼稚園・小中学校の屋外の保育、授業時間を3時間以内とする。(家庭生活も含め、屋外での活動を6時間以内とする)

(2)0.38マイクロシーベルト/hを超えた場合、屋外の保育、授業時間を2時間以内とする。(同様に屋外での活動を4時間以内とする)

(3)このことは、各保育所、幼稚園、小中学校から保護者に伝え、家庭生活においても、外出の時間、マスクの着用等を呼びかける。

3 今後の啓発について
放射線は、受ける量と時間、そこからの距離を注意することにより防護できるので、市民に対し、正しい知識と情報を提供し、冷静に受け止め、各自が日常生活において注意すべき事項を啓発していく。


(ダイアモンドオンラインより)








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