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zoom RSS 【原子力ムラ】    原子力研究の落日、使命を見失った学者たち

<<   作成日時 : 2011/08/01 18:56   >>

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 原子力安全・保安院や九電によるヤラセ問題が報道されている。本当に原子力ムラの閉鎖性にはあきれてしまうばかりだ。

 5月21日、都内のとあるホテル。福島第一原子力発電所事故後初めてとなる、日本原子力学会のシンポジウムが開かれた。傍聴席からの質問に答え、東京大学の岡本孝司教授は、「津波に対するリスクの認識が非常に甘かった」と学会の責任について言及した。だが、事故発生からすでに2カ月余り。遅すぎた反省の弁は、むなしく会場に響き渡った。 

 学界は原子力業界の基盤を成す存在だ。原子炉メーカーや電力会社など産業界に人材を送り込むほか、日本の原子力政策を決める原子力委員会、安全基準の策定や審査を行う原子力安全委員会など、国の中枢機関の構成員の多くも、研究者が占める。それだけに、今回の事故で問われる責任も重い。

 原発の安全確保について、「結果として、学者は専門家としての力量を提供できていなかった」。そう分析するのは、放射線防護学を専門とする立命館大学の安斎育郎名誉教授。「原発の安全審査は、原子炉等規制法による基本設計に合致しているかどうかしかチェックしない。だが、たとえば緊急冷却装置が非常時に本当に機能するかの実証などは別に必要で、本来はこれを学者がやるべきだった」。

・推進派の巣窟・東大、反対派には嫌がらせも 

 実際には、学者は原子炉の暴走を止めることができなかった。その理由の一つとして考えられるのは、学問における安全性の位置づけだ。「安全性研究は先端的な研究分野ではないため、成果が高く評価されない。学者が最も力を入れる領域ではない」(原子力発電や地球温暖化に詳しい山地憲治・東大名誉教授)。

 しかも原子力工学は純粋科学ではない。技術を応用し社会に役立てる実学であり、原子力を繁栄させることを目的とする人間が集まる。「自然と推進派ばかりになり、危険性に警鐘を鳴らす学者は減る。年間何千億円という研究費で潤い、異常にカネ回りがいい。カネの動くほうに流される研究者も多かった」(京都大学原子炉実験所の今中哲二助教)。

中でも推進派の急先鋒が東大だ。現在の原子力委員会委員5人のうち、近藤駿介委員長をはじめとする3人は同大の原子力工学科出身。1950年代半ばの黎明期以降、国と東大が二人三脚で推進してきたのが、日本の原子力行政の歴史だ。それだけに、原発批判を断じて許さない風土が築かれてきた。

 前述の安斎名誉教授は60年に創設された東大原子力工学科の第1期生。72年の日本学術会議のシンポジウムにおいて、国の原子力行政に批判的な基調講演を行うなど、東大にあって異端の言説を展開してきた。その結果、原子力工学科を追われ、助手として拾われた同大の医学部でも執拗な嫌がらせを受けた。

 「研究室では『安斎と口を利くな』と通達が出され、他大学の共同研究者が打ち合わせに来ると、同僚の助手が『勝手に入るな』と追い払う。隣の席には東京電力の社員が張り付いていて、私がどんな活動をしているか、どんな電話がかかってきたかを、逐一会社に報告していた」(安斎氏)。

 75年の原子力工学科設立15周年記念パーティでは、あいさつに登壇した教授が、「安斎育郎を輩出したことだけは汚点」とわざわざ触れたほど、目の敵にされた。異分子を排斥し、批判的な論理を封殺してきたのが、東大の原子力工学科だった。

・04年には学科数がゼロに、凋落した原子力研究 

 原子力研究は今や凋落傾向にある。最先端のエネルギー研究というイメージをまとい、花形の学科だったのは70年代まで。86年のチェルノブイリ原発事故や99年の東海村JCO臨界事故により、学生の原子力離れが急速に進んだ。

 文部科学省の調べでは、「原子力」の名を冠する学科、研究科の在学生数は減少。2007年度の学部生は全国でわずか100人と、ピークだった94年度の17分の1にまで急減している。

 前述の山地名誉教授は「東電の歴代原発担当役員は東大の電気工学科や機械工学科出身が多い。原子力研究の基礎的な部分はこれらの学問に根差しているからだ。実務を回すのに、必ずしも原子力工学を専攻している必要はない」と言う。ただ、「問題は知識よりも意欲。原子力をやろうという人材がいなくなるとすれば、事態は深刻だ」。

 当の日本原子力学会は「日本は原子力の技術を捨ててはいけない」(広報担当)と強調する。だが、これから新たに原子力業界に入ろうという若者が現れなければ、この期に及んでの原発推進など、成り立つわけもない。今回の事故が業界に残した傷は深く、事故そのものの収束だけでは到底片がつきそうにはない。

(一部の記事は東洋経済オンラインから転載)





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