今日の1枚 ラ・トゥール『いかさま師 (クラブのAを持った)』

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  今日は古典主義の画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥール屈指の傑作『いかさま師(クラブのAを持った)』を取り上げた。

  日本でも振り込め詐欺が依然として後を絶たないが、いかさま、詐欺行為は普遍的な人間の性である。我が家にも2回振り込め詐欺犯から電話がかかってきた。①こちら鉄道公安室です、息子さんが電車でわいせつ行為をした・・・ ②xxxだけど・・・、どこで調べたのか息子の名前をちゃんと言うのである。いづれも、息子に確認するというと、電話は切れた。今思うと、だまされたふりをして警察に通報すべきであったと悔やんである。

  さて、ラ・トゥールの作品は宗教画が主体であったが、このような風俗画でも、鋭い観察眼でいかさまを行なおうとする男の劇的な瞬間を捉えた見事なな作品を描いている。イタリア・バロックの大画家カラヴァッジョが最初に描いたとされている本主題≪いかさま師≫は、当時の道徳論で三大誘惑とされた「遊興」「酒」「淫蕩」を戒める意味を持つと考えられている。

  また豪華で、どこか艶やかさで世俗的な身なりや、テーブルに積まれた金貨から、中央の横目の女性はカードゲームに興じる高級娼婦であることが伺える。この娼婦に象徴される不審的な目つきがかもしだす雰囲気は、まさに退廃的だ。この作品は道徳画であり、男が遊興に溺れると騙されることを観る者に教えてくれる。

  今まさに、いかさまを行なわんとする男の視線はこの行為に対する罪悪感や嫌悪感が漂っている。

娼婦、給仕女、いかさま師、そして騙される若い男のそれぞれの目つきが見るものの心を捉える。

【データ】
作品名 『いかさま師 (クラブのAを持った)』
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール (Georges de La Tour) 作、1632-1635年頃
96×155cm | 油彩・画布 | キンベル美術館(フォート・ワース、テキサス、USA)






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